本当においしいコーヒーは甘い!甘いコーヒーの淹れ方を伝授します!
コーヒーの持つ味わいを決める5つの要素「酸味」、「苦み」、「甘味」、「コク」、「香り」のうち、今回は「甘味」について取り上げていきたいと思います。
コーヒーの味わいを大きく分けると「苦み」と「酸味」であり、このどちらかで味の好みが分かれるわけですが、その間に入ってくるのが「甘味」という要素。
砂糖を入れる以外にコーヒーに「甘味」を感じたことのある人は多くないと思いますが、実はコーヒー豆にも甘味成分が含まれているため、それを引き出すように抽出するとコーヒーにもほんのりとした甘味を感じることができます。
コーヒーの甘味とはどういうものか?また甘味が感じられるコーヒーの淹れ方についてお話していきます。
コーヒーの持つ甘味とは?
コーヒーに甘味を感じたことがある人は少ないかもしれませんが、コーヒーはもともとコーヒーチェリーという果実のため、果実由来のブドウ糖などの甘味成分が若干量含まれています。
しかしながら、コーヒーは酸味や苦みの成分が強く、どうしても甘味の要素がかすんでしまうのです。
甘味を感じるためにはできるだけコーヒーの本来の甘味を損なわないように抽出することが必要で、飲むときも甘味に集中することで舌の奥でほのかに感じられるものです。
甘味はコーヒーの味わいとしては上級者向けのものかもしれません。
ただ意識をしなくても甘味のあるコーヒーは本能的においしいと感じられるはずです。
コーヒーの甘味とは香り?
コーヒーの生豆には、でんぷん、ショ糖、ブドウ糖など甘味の成分がわずかですが含まれています。
ですが、甘味はそれだけではなく、香りの成分も甘味を感じるうえで大切な要素です。
コーヒーの香り成分は約800種類以上あると言われており、それらのいくつかが甘味に関連しています。
たとえばバニラの香りを持つバリニン、アーモンドに似た香りを持つフルフラールなど。
わずかな糖分と香りから生まれるほのかな甘みがコーヒーの持つ甘味であり、砂糖のような甘ったるいものとは異なる上品な甘さがコーヒーの甘味と呼ばれるものになります。
甘味を抽出するコーヒーの淹れ方
もともとコーヒーは酸味や苦みが強いので、甘味は積極的に感じられるものではありません。
そのため甘味を引き出すためには、より意識してコーヒーを淹れる必要があります。
甘味を際立たせるための焙煎法や抽出法について見ていきましょう。
焙煎の仕方
甘味を引き立たせるために一番難しいのは焙煎の仕方です。
浅煎りだと酸味が際立ってしまい、深煎りにすると苦みが際立ってしまうため、甘味が現れる丁度良いバランスで焙煎をする必要があります。
そのことから中煎りのハイローストから中深煎りのフルシティローストの間で豆を炒るのがベストと言われています。
豆の挽き方
豆は細かく挽くほど成分が抽出されやすく、粗くなるほど抽出されにくくなります。
一般に細かく挽くほど苦くなりやすいですが、甘味を意識する場合は酸味と苦みの間となるので「中挽き」「中細挽き」くらいがおすすめです。
お湯の温度
ドリップ時のお湯の温度は低め(85℃以下)が良いと言われています。
温度は高くなると苦みが強く抽出されるようになるので、甘味を感じにくくなります。
抽出時間
抽出時間ですが、甘味を意識するのであれば3分程度がおすすめです。
長い時間をかけてしまうと苦みが際立ってしまい、甘味が損なわれてしまうからです。
コーヒーは酸味→甘味→苦味の順で味が抽出されるので、甘味を出すためには長すぎず短すぎず丁度良いバランスで淹れるようにしましょう。
お湯の注ぎ方
お湯の注ぎ方は多少荒っぽくするほうがドリッパーの粉がかき混ぜられて成分がより抽出されやすくなります。
しかし、逆にあまり荒っぽくしすぎると苦みが強くなるので、適度に中が混ざるようにお湯を注いでください。
より甘味が感じられる飲み方
人間の舌は同じものでも温度によって味の感じ方が変わります。
たとえばアイスクリームは凍っているものより溶けた状態の方がより甘く感じますが、それは甘味は体温に近づくほど感じやすくなるからです。
ですので、コーヒーも淹れたてよりも少し冷ましてから味わう方が、甘味を強く感じることができます。
甘味を感じるコーヒーの淹れ方 まとめ
甘味を感じられるコーヒーの淹れ方についてまとめておきます。
・焙煎は「中煎り」から「中深煎り」(ミディアムからフルシティ)の間
・挽き方は「中挽き」か「中細挽き」
・お湯の温度は85℃以下
・抽出時間は3分を目安に
・お湯の注ぎ方は多少粗め
・少し冷まして飲むとより甘味を感じやすい
色々と意識をすることが多く少し面倒ですが、それだけ甘味を抽出するのは難しいということですね。
その分、甘みのあるおいしいコーヒーを淹れた時の喜びもひとしおです!
甘味を感じられるコーヒー豆をご紹介!
コーヒーの甘味は豆や原産地によって大きく左右されます。
ここでは甘味が特徴として出やすい豆について紹介していきます。
コロンビア
コロンビアコーヒーは酸味と苦みのバランスがよく、それに加えて芳醇な甘みやまろやかなコク、フルーティーな香りが特徴的なコーヒーです。
特に南部地方の豆は酸味が強く柑橘系の香りがします。
モカ
独特の風味とコクを持っており、世界最高の味と称されているコーヒー豆です。
中煎りにすると熟した果実のような甘味が感じられます。
イエメン産、エチオピア産、ブレンドなど様々なバリエーションがあります。
マンデリン
酸味が少なくコクのある苦みが最大の特徴ですが、シナモンやハーブのような香りが深煎りにしても損なわれないため、香りで甘味を感じることができます。
甘味のあるコーヒーが合うシーンとは?
甘味のあるコーヒーはスイーツとよく合うので、朝や午後のリラックスタイムがおすすめです。
また一人キャンプなど、自分とゆっくり向き合える時のお供としても適しています。
一方、濃い味のケーキやスイーツとは味が濃くなりすぎてしまうので相性は良くないでしょう。
また目覚ましなどの覚醒のためのコーヒーとしては、こだわって作る分少しもったいないかもしれません。
甘味のあるコーヒーはぜひコーヒーの味そのものを味わっていただきたいと思います。