コーヒーのコクって一体なんだ?その正体とコクの出し方を徹底解説!

コーヒーのコクって一体なんだ?その正体とコクの出し方を徹底解説!

今回はコーヒーの味わいの5つの要素「酸味」、「苦み」、「甘味」、「コク」、「香り」のうち、「コク」について取り上げていきたいと思います。

いきなり質問ですが、「コク」ってなんでしょうか?

「酸味」や「苦み」や「甘味」などの味ははっきり分かりますが、「コク」ってどういうものなのか分かりにくいですよね。

なんとなくわかる気がするけど、言葉で説明しろと言われてもよく分からない・・・

そんなコクの正体をこの記事では明らかにしていきたいと思います!

コクのあるコーヒーの淹れ方も紹介するので、普段のコーヒーにコクの深みを加えたい方はぜひ最後までご覧ください。

コーヒーのコクとは何か?

冒頭でも述べたようにコクって具体的にどういうものか分かりにくいですよね。

ですので、まずは「コクとは何か?」について考えていきましょう。

まず、コクを英語で表すと、”rich”とか”full-bodied”とか”robust”と言います。

それぞれ日本語に訳すと「豊か」、「ボディ感のある」、「力強い」といった感じになります。

これらの言葉から考えると「コクのあるコーヒー」とは「味に深みがあるコーヒー」をことを言います。

コクは味ではない

とはいえ、「味に深みがある」と言ってもまだよく分からないかもしれません。

ですが、実は最近の研究により「コク」の具体的な正体が明らかになってきました。

このコクというのは、「グルタミルバリルグリシン」というアミノ酸の化合物がもとになっており、それに熱を加えることで糖質、脂質と反応して「コク」と呼ばれる状態を作り出すことが分かっています。

ただ、この「グルタミルバリルグリシン」には味自体はないのでコクは味そのものというわけではありません。

人間が感じる味というのは「甘味、酸味、塩味、苦み、うま味」の5つですが、これらに加え「余韻」や「香り」や「触感」が絡み合って生まれるおいしさのことを「コク」と呼んでいるのです。

つまり、コクとは味覚だけではなく、嗅覚や触覚を含めて感じる複雑な味わいのことなんですね。

コクと苦みの違いとは?

コクと苦みの違いとは?

コーヒーやワイン、カレーなどもそうですが、コクは単なる味が濃いこととは違います。

味が薄いとコクは感じにくいかもしれませんが、味が濃くてもコクのない食べ物や飲み物はあります。

コーヒーでいうと、「苦みが強いこと」と「コクがあること」はやはり違うものです。

コーヒーは深く煎れば煎るほど苦みが出て強い味になりますが、それによってコクが出るわけではありません。

コクのあるコーヒーは飲んだ後にもその味わいを感じることができ、しっかりと余韻が残るものです。

この余韻の深さのことを「コクがある」と表現しているんですね。

コクのキーワードは複雑さ

先ほどコクとは「味覚に余韻や香りや触感が合わさったもの」と言いましたが、これから考えるとコクのキーワードとは「複雑さ」と言えるかと思います。

さまざまな味と感覚が絡み合うところに、私たちはコクを感じることができるのです。

つまり、コクのあるコーヒーを淹れるには、いろいろな要素が複雑に絡み合うように意識をすればよいということなんですね。

コクのあるコーヒーの淹れ方

では、コクのあるコーヒーの淹れ方について説明をしていきます。

先ほども言ったようにポイントは「味の複雑さ」です。

コーヒーが持つ酸味や苦みや甘味など、すべての要素が最大限に引き出すように意識をすればコクのあるコーヒーを淹れることができるでしょう。

焙煎の仕方

浅煎りの場合、あまり火を通さないため豆が本来持つ酸味が引き立ちますが、これでは苦み成分を最大限に引き出すことはできません。

逆に深煎りにすればするほど、酸味の成分が死んでしまうので単調な味わいになっていきます。

コクを意識して焙煎する場合は「中煎り」、特に「中深煎り」くらいにすると、酸味と苦みを両方を引き出すことができ、コクのある複雑な味わいになります

深煎り豆

挽き方

基本的に豆は細かく挽けば挽くほど味わいが深くなりますので、コクを出すためには「細挽き」にするのがおすすめです。

細挽き豆

お湯の温度

お湯の温度は高くするほど、味の抽出度は上がりますが、高くなりすぎると苦みや雑味が出すぎてしまい、えぐさを感じる味になってしまいます。

豆や器具や淹れ方で味が変わってしまうので厳密に何℃というのは難しいですが、標準(85℃)より若干高めの90℃前後のお湯で淹れると一番コクがでやすいと言われています。

お湯の注ぎ方

お湯の注ぎ方

コクを出すためにはしっかりと抽出するために、ゆっくりと細くお湯を注ぎ、時間をかけて淹れるようにしましょう。

ただし、時間をかけすぎると過抽出となりまずくなってしまうので、平均の抽出時間の3分を意識して、それよりも少し長めに時間をかけて淹れるようにすると良いと思います。

コーヒー豆の量

コーヒー豆の量

一杯(120ml)あたり通常10-12g程度のコーヒー豆を使うのが標準ですが、味を深く出したい場合は少し多めに豆を使う方がよいでしょう。

ただし、豆の特徴や挽き方によっては量のバランスも変わってきますので、単純に多くすればよいということではありません。

13gくらいを基本に微調整をしながら豆の特性や自分の好きなコクのバランスを探っていきましょう。

コクのあるコーヒーの淹れ方 まとめ

焙煎の仕方は中深煎り

挽き方は細挽き

お湯の温度は90℃ぐらい

お湯の注ぎ方はゆっくり、長めに入れる(3分以上)

豆の量は13gくらい

で淹れるとコーヒーのコクを最大限に引き出すことができるでしょう。

すべてのことを厳密に数値化することはできないので、自分の感性や豆の状態を見ながら微調整をしてみてください。

ほんの少しの違いで味が変わるのも、コーヒーの難しさであり面白さですね。

コクのあるコーヒー豆を紹介します!

では、コクを感じられるコーヒー豆をいくつか紹介していきます。

ジャマイカ産のブルーマウンテン

ジャマイカ産のブルーマウンテン

酸味と苦みのバランスが良く、まろやかなコクを感じることのできる言わずと知れた最高級のコーヒー豆です。

中深煎り(シティロースト)で飲むのがおすすめです。

タンザニア産のキリマンジャロ

キリマンジャロ

キリマンジャロコーヒーは強い酸味と香りに加え、しっかりとしたコクがあるのが特徴。

キレのある酸味とコクの深さから「野性味あふれる味わい」と形容されることが多いです。

インドネシア産のマンデリン

インドネシア産のマンデリン

マンデリンも重厚なコクやや強めの苦みがあり、コクを味わうのに適した豆です。

ハーブやシナモンのような風味が感じられ、独特な香りがするのも特徴的。

普段のコーヒーとは少し違った風味を感じたい方におススメです。

コクのあるコーヒーに合うシーンとは?

コクのあるコーヒーに合うシーンとは?

コーヒーのコクを感じながら飲むのは「コーヒーそのものをしっかりと味わう」ようなシーンとなるでしょう。

コクは酸味や苦みのように単純に割り切れる味わいではありませんので、コーヒーそのものに集中しないと意識して感じることができません。

コーヒーのおいしさを追求したいときには、コクのあるコーヒーにこだわってみてはいかがでしょうか。

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